アンサンブルで演奏レベルアップ
サクソフォンに限った話題ではありませんが、楽器の演奏を上達させる方法として、
「アンサンブル」がとてもオススメです。
その理由とアンサンブルのやり方について簡単に解説します。
そもそも「アンサンブル」とは?
「アンサンブル」(Ensemble)は、複数人数で音楽を演奏する"形式"や"状態"のことです。
日本語では「合奏」や「重奏」などの言葉が当てはまるでしょう。
ちなみに、「セッション」(Session)という言葉も似たような場面で使われますが、この記事では複数の演奏者が互いの音を聴きながら演奏することを、広く「アンサンブル」と呼ぶことにします。

アンサンブルで演奏する

みんなでセッションする
のような使われ方があります。
身の周りの音楽の多くが「アンサブル」で出来ている!?
私たちの周りにはいろいろなシーンで音楽が存在しています。
テレビやラジオを視聴していれば、あらゆる番組に音楽が使われています。
外に出かけてどこかのお店に入れば、BGMとして音楽を流していることも多いです。
もちろんコンサートに出かけたり音楽の配信サービスを利用していれば音楽が溢れています。
こうした音楽の多くは、歌や楽器など複数の音によって作られていて、一人分のメロディーだけが演奏される音楽というのは、私たちの周りには圧倒的に少ないように思います。
逆に、アンサンブルではない音楽が身近にないわけではなく、例えばJ.S.バッハ作曲の「無伴奏チェロ組曲」はテレビCMなどで使用されることも多い名曲ですが、紛れもなく独奏なのでアンサンブルではありません。
また、私たちが耳にするピアノやギターのみの演奏は"独奏"と分類されるため"アンサンブル"ではないのですが、演奏している内容としてはメロディーラインや対旋律、ベースライン、ハーモニーなど複数の役割を1人で担当していて、これらの役割に注目することも音楽を深く理解し感じ取る上で興味深く大切なことです。
まずは楽器と音楽の基礎を学ぶ
要するにこの記事の目的は、「アンサンブルをしよう!」というメッセージを強く訴えることです。
しかし、それでも楽器や音楽の基礎は学ぶ必要があります。
楽器の組み立て方や音の出し方がわからないレベルでは、当然アンサンブルはできません。
音楽に関する基本的な知識も習得する必要があります。
ただ、基礎が完璧にならないと次のステップに進んではいけない、とまでは言いません。
基礎的なトレーニングはどんなに上達しても常に付き合っていくものです。
一流のアスリートが筋トレやストレッチ、その他の基礎的な運動をするのと同じです。
ある程度の基礎力がついたら、その時点で出来るアンサンブルに挑戦していきましょう。
はじめてのアンサンブル体験!?
どんな演奏を目指しているのか。
理想とする未来の自分像によっても、学ぶ内容や順番は多少違ってくるとは思いますが、多くの場合は初心者のレベルから実は小さなアンサンブルを体験することになります。
それは、「メトロノーム」との共演です。
初心者から上級者まで、演奏上達に欠かせない便利なアイテムの1つ「メトロノーム」は、リズムを理解するために多くの人が使うことになります。
「メトロノーム」は一定のペースで音を出し続けて拍子を刻んでもらう装置で、私たちはこの音を頼りに自分がどんなタイミングで音を演奏すればいいかを考えます。
しかし、不慣れな曲や演奏者のレベルが不足している場合は、演奏中にこのメトロノームの音を認識できなくなります。
つまり、メトロノームと合っているかどうかもわからなくなるのです。(難しい曲になると、私もよくこうなります。)
リズムに関する細かい話はここでは避けますが、ここで大事なことは"メトロノームとの共演"をしていること、つまり「アンサンブル」をしているのです。
もちろん、厳密な意味でメトロノームとの演奏を「アンサンブル」と呼ぶわけではありません。
しかし、「自分以外の音を聴き、その音との関係を保ちながら演奏する」という点では、アンサンブルに必要な能力を養う最初の練習と考えることができます。
自分の音とメトロノームの音、このどちらか一方だけを聞いていても音楽の上達はできません。
両方の音がどう関係しているかを認識できるようになることが、音楽の上達においてとても重要です。

いよいよ他の人とアンサンブル
次に経験するアンサンブルとしてオススメなのは、同じ楽器同士でのアンサンブルです。
例えば、サクソフォン二重奏です。
当然ですが、2人のサクソフォン奏者が必要です。
2人で全く同じメロディーを同時に演奏するのもいいし、二重奏用になっている楽譜を使って一緒に演奏するのも良いと思います。
自分の音と相手の音、どちらも聴きながら演奏するという経験を積み上げていくことで、音楽を理解したり感じたりする能力が伸びていきます。他の言い方をするなら、音楽を聴いて気付けることが増えていくのです。
たくさんの音が鳴っている状況で音楽を理解するのは、初心者の段階ではとても大変です。
最初はサクソフォン二重奏や三重奏くらいの少人数から始めるのが良いと思います。
そのために、一緒に演奏できる相手が必要なわけです。
例えば、音楽教室に通えば指導者や生徒同士で一緒に演奏できる機会を得ることができます。
上達していくと、市民楽団や専門的な学校(音楽高校、音楽大学、音楽系一般大学、専門学校など)に通うことで音楽仲間と出会うことができます。
毎年開催している発表会で驚きの出会いが...!
私が主催している生徒向けのイベント「サクソフォン発表会」は、普段は顔を合わせることがない生徒同士が集まる機会になっていますが、そこで生徒同士が自然にコミュニケーションをとって一緒に練習や演奏をするグループが出来ています。私は一切働きかけていませんが、新たな音楽活動が生まれたのです!

はじめましてー!😉先ほどの演奏とても素敵でした!
どこの教室に通ってらっしゃるんですか?🤔

ありがとうございます!
◯◯市の□□教室ですよ😊

私もです!😮
今度一緒に集まって練習しませんか?🙄
そして次回の発表会は一緒にアンサンブル演奏で出てみたいなーって🤭

良いですね!☺️
じゃあ曲を決めなきゃですね!
どんな音楽が好きですか??

普段よく聴く音楽は■■ですが、私のレベルだと~...
このサクソフォン発表会は、どなたでも参加できるイベントではなく、
- 池谷隼人の元でサクソフォンを学んできた生徒
- エントリー期間内に、先着順でエントリーできた者
が参加できます。つまり、私が教えている生徒ではない人は出演できません。また、エントリー期間内に演奏時間の合計が上限に達した時点で受け付けを終了するため、私が教えている生徒が全員出演できるわけでもありません。
興味関心がございましたら、HAYATO IKEGAYA MUSIC STUDIOにて私のレッスンを受講してみませんか?
低い難易度のものから始めよう
これはアンサンブルに限ったことではありませんが、あまり複雑なことから始めないようにしましょう。
自分以外の音が聞こえている状態で演奏するのはなかなか負担が大きいものです。
ここでは、"車の運転"を例に挙げてみましょう。
実際に公道で車を運転するときには、
- 信号を認識し判断すること
- 標識を認識し判断すること
- 歩行者を認識し判断すること
- 対向車を認識し判断すること
- 道路の状況(濡れているかどうか、勾配はどうか、幅はどうか、進行方向はどっち向きかなど)を認識し判断すること
- 車内の様々な操作をすること
- 緊急車両などの音をチェックすること

など、様々なことに気を配る行動と言えます。
しかし、初めて自動車の教習所に通ったときは、ここまで多くのことを一度に実行できる余裕はなかったと思います。
音楽の演奏も同じで、複雑なことを瞬時に考える必要があります。
例えば、
1人で演奏するときに考えること
- テンポ
- 拍子
- リズム
- 音程
- 強弱
- 身体のコントロール
- その他の微妙な表現

アンサンブルで考えること
- 共演者が感じているテンポ
- 共演者が感じている拍子
- 共演者のリズム
- 共演者の音程
- 共演者の強弱
- 共演者の呼吸
- 共演者の動き
- 共演者の微妙な表現

などがありますが、これらをすべて考えて(感じて)微調整をしながら演奏するというのは、決して簡単ではありません。
少しずつ出来ることを増やしていくため、シンプルな音楽から始めてみましょう。
特に楽器を始めたばかりの人は、やってみたい曲や理想の演奏者像としてハイレベルなものを夢見ている人が多いです。

□□という曲をすぐに出来るようにしたい!

憧れの◯◯さんのような演奏ができたらいいな!
しかし、能力に応じた曲を選ばないと上達の速度も成果も期待通りにはいきません。
慌てずに基礎的なことからしっかり経験していきましょう。
次のアンサンブルは
同じ楽器同士での少人数アンサンブルを経験するだけでなく、他のアンサンブルもオススメできる組み合わせがあります。
それは、ピアノやギターとの共演です。
特にピアノは、ギターと比べてソロでの演奏機会が少し多い気がします。
つまり、何かきっかけが無い限りはアンサンブルをせずに自分だけで演奏する活動に留まってしまいがちなのがピアノという楽器の特徴かもしれません。
ピアノもギターも、一人の演奏者が一度に扱える音の数が多いため、一人で演奏しているのにまるでアンサンブルのようなサウンドを生み出すことができますし、実際に複数の役割を一人で担当するという意味でもアンサンブルのようですが、やはり自分以外の人と共演することは少し違った経験と言えます。

他の楽器の仲間を探すのは難しい...?
アンサンブルはとても大切な経験と言えますが、他の楽器を演奏できる人とマッチングできる機会というのは、意外と少ないのが現実です。
音楽系の学校に行くと、オーケストラや吹奏楽の授業を通して他の楽器とのアンサンブルを経験する機会があります。
また、レンタルスタジオや音楽教室に行くと、メンバー募集の貼り紙を見かけることがあります。
しかし、私が主催している「サクソフォン発表会」や一般的な音楽教室の発表会では、他の楽器奏者と出会う機会は充分に提供できないのが現実です。
この件については、音楽教室の運営側や楽器の指導者など、幅広い立場の人同士で協力して仕組みを構築する必要がある課題だと思っています。
もっと深くアンサンブルを楽しむなら
さらに上達し、ハイレベルな演奏者としてアンサンブルを楽しみたい場合は、自分よりも経験が多く演奏レベルの高い人と一緒に演奏する機会を持つことも大切です。アンサンブルのコツや音楽のことをよくわかっている人、楽器や演奏技術の理解がある人と共演すると、アンサンブルを通して学べることが多く練習も捗ります。そういう意味で、1人でもアンサンブルのようにたくさんの音を扱うピアノの演奏者と共演することは非常に価値があります。
身近にそうした共演者がいない場合には、経験のある奏者に共演を依頼するという方法もあります。
実は私自身も、サクソフォン奏者&指導者として活動する一方で、ピアノでの共演依頼をお受けしています。

私の音楽の経歴としては、未就学児の頃からピアノを中心とした音楽全般を学び、中学生くらいのときにサクソフォンと出会いました。
その後は、高校や大学へ進学してサクソフォンをメインに学びながら、ピアノの活動(ソロ&アンサンブル)も継続していました。
サクソフォンがメインの活動になってからピアノのソロ活動は減りましたが、例えばサクソフォンとピアノの曲に取り組む際にもどちらのパートも経験しているミュージシャンとして、アンサンブルピアニストとして重宝されています。
皆さまの音楽活動を私の経験とスキルでサポートいたしますので、お気軽にご相談ください!
一人で基礎を身につける時間も大切ですが、他の音を聴きながら演奏することで、一人では得にくい気づきがあります。
メトロノームから始まり、同じ楽器の仲間、異なる楽器の奏者へ。無理のないところから少しずつアンサンブルの経験を増やしてみてください。

