楽器を用意しよう!
「楽器を始めてみようかな」と思っている未経験者に、最初に立ちはだかる壁。
それは、
"楽器をどうやって用意すればいいのか"
だと思います。本記事では、その疑問を順を追ってわかりやすく解説します。
※ここではサクソフォンを例に挙げていきますが、他の楽器にも共通している部分があると思いますので、これから楽器を始めてみようと思っている方はぜひ最後までご覧ください。また、具体的な機種名を一つ一つ挙げていくとキリがないので、本記事では大まかな考え方について触れていきます。
■どんな楽器でもOK!ただし...。
結論から言うと、これから始めるという初心者の人であれば、どんな楽器でもOKです!
ただし、前提として"ある程度信頼できるメーカーのもの"から選ぶことが大切です。
なぜなら、あまりに格安の楽器の場合、楽器の状態がすぐに悪くなったり、
修理やメンテナンスでは対応不可能な粗悪品もありうるからです。
楽器を選ぶときに私が重要だと思うポイントは次の3つです。
- 音色
- 使いやすさ(メンテナンスのしやすさも含む)
- 予算
これらのバランスが取れたものを選ぶのが良いと思います。
修理やメンテナンスはさておき、演奏上の使いやすさについてはどんな楽器でも慣れていく(楽器に身体が合わせていける)と思います。
音色についても、実は楽器本体はマウスピースやリードほどの影響力はありません。
サクソフォンの音色を決める要素としては、以下の3つが最も強い影響を持っています。
- 演奏技術
- マウスピース
- リード
楽器本体の影響力は、これらに比べるとそれほど強くありません。ただし、マウスピースやリードは比較的買い替えがしやすいのに対し、楽器本体を頻繁に買い替えることは難しいため、慎重に選ぶ必要があるのです。
※そして演奏技術においても、息の入れ方やアンブシュア(口周りの形)の工夫で音色を変えることができます。

■必ずしも買う必要はない...!?
これから楽器を始めるときに、やはり楽器を購入するのが一番良いと思います。
『買ったからにはもう後戻りはできない』
↓
『頑張って練習する』
↓
『練習したから上手くなる』
↓
『上手くなって楽しいからもっと練習する』
この好循環になりやすいです。
しかし楽器は決して安い買い物ではありません。
この記事を書いている2026年時点でも、身の回りのあらゆる物の値段が上がり、その傾向は楽器にもしっかり表れています。
そのため、過去に楽器をやっていたけれど今は使っていない中古品を購入したり、譲ってもらったり、あるいは貸し出してもらう(レンタルする)という選択肢も大いにアリです。
専門家(リペアマン)によるメンテナンスをしっかりと施せば、まだまだ現役で使える楽器はどこかに必ずあるはずです。
■そもそも楽器を購入すること自体が困難な場合も...
実は、時期によっては楽器の在庫そのものが少ない場合があります。
アルトサクソフォンは最も需要と供給が多い種類ですが、ソプラノやバリトンなどはなかなか在庫が潤沢にないことが多く、楽器店の規模によってはお店のショーケースに楽器が1〜2本あるだけということも少なくありません。
これまで、新型コロナ騒動が特に大きなきっかけでしたが、他にも金属の高騰など様々な事情で楽器の値上がりと品不足は頻繁に起こると見ておくべきです。
近所の楽器店で欲しい楽器が置いてなかった場合は楽器店を通してメーカーに発注するのですが、楽器によっては入荷は1年待ちということも実際にありました。
■楽器は今が一番安い!(価格の変動について)
楽器の値段は、特別なキャンペーンなど一時的な事情を除けば、これまで価格が下がったことはほとんどなく、常に値段は上がり続けています。
つまり、"今が一番安い"ということになります。
機種にもよりますが、20年前と比べると2倍近くまでに値上がりしているものもあります。
■初心者モデルとは?
低価格な楽器についてよく使われる表現で「初心者モデル」というものがありますが、私としては少し誤解されやすい表現だと思います。
正確には、"初心者が途中で挫折しても経済的な損失を最小限に抑えられる"モデルではないでしょうか。
低価格なモデルは、作るための手間や工夫が少なく、使っている材料も品質が低めのものと考えられます。
逆に品質が高くてそれなりの価格の楽器は、扱いやすくて良い状態をキープしやすく、良い音が出やすいモデルだと言えます。
ありがたいことに、私が使っているアルトサクソフォンは当時の最高級モデルで、低価格帯のモデルと比べると圧倒的に操作しやすく良い音を出しやすいと感じます。
この環境に慣れてしまった私は、低価格帯の楽器を試しに使ってみると、思うように演奏できなくて苦労することが多いです。(私の適応能力が低いということもあると思いますが)
逆に、私の生徒に私の楽器を試しにちょっと使ってもらうと、多くの皆さんが言うのは
「なんて使いやすいんだ!」
「こんな楽な楽器を使っていて、先生ずるい!」
...ごめんなさい(笑)

■高い楽器の方が良いとも限らない!
経済的に余裕があったとしても、最高級楽器がベストとは限りません。
例えばヤマハ製のサクソフォンであれば、中堅クラスの『62』シリーズより高い価格の商品は、それぞれ違った特徴を持っており、好みや用途によっては最高級モデルを選ばない方がいい場合もあります。
私が現在愛用しているヤナギサワ製のサクソフォンであれば、どのモデルも違った特徴を持っており、それぞれに他には見られない良いところがあります。
唯一の正解があるわけではなく、自分に一番ぴったりの楽器(答え)を見つけていくことが大切です。
■学校の部活動で高い楽器を勧められたけど...
中学や高校の吹奏楽部では、伝統的にメーカーや機種を決めている場合があったり、いつも教えてくれる顧問や外部講師が指定する場合もあります。
ただ、それを学校で用意してくれるならまだ良いですが、各家庭で購入費用を負担するとなればそれは厳しいという人も少なくないはず。
このような理由で音楽への道を閉ざしてしまうのはもったいないです!
私の生徒の中には、最安モデルでマウスピースも付属のものを使っていながら、素晴らしい音を出している人もいます。
楽器本体にかけるお金は最小限に、その分を消耗品であるリードに充ててたくさん練習して音楽を楽しむ方が充実した人生になるのではないか、という見方もできますので、ぜひ学校の先生に相談してみてください。
■オススメの"楽器の選び方"👍️
繰り返しになりますが、楽器は高額商品です。
可能な限り厳選して慎重に買いましょう。(百均ショップで日用品を買うのとは違います)
私のオススメの手順としては次のような流れです。
- 楽器購入を手伝ってくれる協力者(できれば音楽やサクソフォンに詳しい人)を探す
- どんな音を出したいかのイメージを(ある程度)決める
- 在庫の多い楽器店を探す
- 楽器店に相談して試奏する手配をしてもらう
- 購入する楽器のモデルを決める
- 値下げや支払い方法の交渉をする
特にこの4番目の手順【試奏】は、まだ音の出し方もわからない初心者にはほぼ不可能だと思います。
だからこそ、専門家に相談することをオススメします。楽器店のスタッフに相談すれば、手伝ってくれるプロの演奏者や講師を紹介してくれるかもしれません。
■オススメしない"楽器の選び方"⚠️
オススメしない楽器の買い方はズバリ、インターネットでの購入です。
これは、インターネット上のオンラインショップでポチッと購入するのはもちろん、インターネット上の評判や噂だけを信じて楽器を選ぶということについてもオススメしません。特に中古品であれば、その品質を画面越しに確認することは困難です。
やはり楽器は、実際にその物を見て、音を聴いて、納得して購入しましょう。
しつこいほどの繰り返しになりますが、楽器は高額商品です。
絶対に後悔しないように最善を尽くして手に入れて欲しいです。
■将来を見据えた「賢い買い方」
もし将来「2本目の購入」が少しでも視野に入っているのであれば、最初は(信頼の置けるメーカーの)最安値モデルを買うというのも非常にオススメの選択肢です。
自分で音や楽器の違いやがわかるようになった段階で「本気の一本」を買い足せば、最初の楽器は「頼れるサブ楽器」として大活躍してくれます。 メイン楽器を修理に出している間の練習用として、あるいは野外演奏など厳しい環境下での使用など、プロの現場でもこうした「使い分け」はよく行われています。
■さぁ、はじめよう!
私は、自分の生徒が楽器を選びたいと思ったときにそのお手伝いを無料で実施しています。
ご相談いただければ、予算や希望する音色などをヒアリングし、楽器店に相談し、試奏(私が楽器を演奏して音色を聴いて比較)の機会を提供するところまで対応いたします。
まだ具体的に決まっていないことがあっても構いませんので、お気軽にお問い合わせください。


